2024/6/1 22:08
2024年6月2日、南葛SCは第58回関東サッカーリーグ1部第6節に臨む。今節の相手は東邦チタニウムだ。2021年、同じタイミングで関東リーグ1部昇格を成し遂げたチームであり、現在8位の東邦チタニウムに対し、南葛SCは4位で今節を迎える。
【関東リーグ1部第5節終了時点の成績】
<東邦チタニウム>
8位|勝ち点5|1勝2分2敗|8得点8失点
<南葛SC>
4位|勝ち点10|3勝1分1敗|10得点4失点
関東リーグ2部時代も含め、これまで東邦チタニウムとはリーグ戦で6度対戦。2021、2022年の4試合はドローが続いたが、昨季はホーム、アウェイともに南葛SCが2-0で勝利を収めた。
【2021年:関東リーグ2部】
・前期5節(A)2△2[得点者]河本明人、幸野志有人
・後期5節(H)0△0
【2022年:関東リーグ1部】
・前期1節(A)1△1[得点者]楠神順平
・後期1節(H)1△1[得点者]梶塚大哉
【2023年:関東リーグ1部】
・前期8節(H)2○0[得点者]玉城峻吾、楠神順平
・後期8節(A)2○0[得点者]大前元紀、奥原零偉
前節、南葛SCはVONDS市原FCと1-1で引き分けた。後半半ばまでリードを許したものの、交代出場でピッチに入ったばかりのFW20金田奎人が、66分に直接FKを蹴り込んで同点に追いつく。本人は「蹴る気満々という感じではなかったのですが」と苦笑いするが、見事な“ファーストタッチゴール”でチームに勝ち点1をもたらした。
来たッッッーーー!!!!!
交代直後の 20 #金田奎人 がファーストタッチで直接FKをゴールネットに突き刺す!#南葛SC💙#葛飾区 pic.twitter.com/IkobeuRIqN— 南葛SC|Nankatsu SC (@nankatsu_staff) May 22, 2024
「初めからFKを蹴ろうと思っていたわけではないんですが、高木(健旨)コーチとリュウくん(DF4柳裕元)から、『あるぞ』と声を掛けてもらったんです。その直後、FKを蹴ろうとしていたタマさん(MF19玉城峻吾)と目が合って、『代わるか?』と。相手の壁が飛んでいたら当たっていたかもしれませんが、コースは一応狙いどおりでした。最初は壁を越そうかと考えましたが、最終的には壁の外から巻いて狙うイメージで、思いどおりに蹴ることができました」
90分間ピッチを走り続けたMF17佐々木達也は、VONDS市原FC戦を振り返るとともに、今後に向けて“明確な課題”を抽出する。
「前節は、チームとしてボールを持っている時間も長かったし、相手のプレッシャーも見えていた。だから、『勝ち切りたかった』というのが率直な思いです。ただ、相手を崩し切ることはできませんでした。その理由の一つには、“最後のパスのクオリティー”が高くなかったことが挙げられるのではないかと思います。僕個人としてもチームとしても、今後に向けて明確な課題がわかった試合になりました」
相手の守備網を切り崩しにかかるラストパス。その質の高さは、「止める・蹴る」「点から点」などのキーワードがつむぐ最終局面に欠かせない要素であり、“最後のパスのクオリティー”は今節を観戦する上で大きな注目ポイントになりそうだ。
リーグ戦の5試合、さらには東京カップと東京都サッカートーナメントも含めると、今季ここまでに戦ってきた公式戦は9試合。そのすべてに出場し続けている佐々木には、練習時から前向きで積極的な姿勢が見て取れる。本人も笑顔でこう口にする。
「特に今年は、『チャレンジしないとうまくならない』という思いがすごくあるんです。練習中も試合中も、思ったことや見えたものをプレーで表現しようという感覚になっているし、今は成功と失敗を積み重ねることで、自分でも成長できていると感じられます。だから最近は、失敗を全然恐れていないというか、『失敗しても笑ってごまかしてやろう』って感じのメンタルでサッカーをやっているんです(笑)」
一方、金田にはターニングポイントになった試合がある。今季の南葛SCにとって、初の公式戦となった3月10日の東京カップ2次戦1回戦だ。金田はスタメンに名を連ねたものの、0-1で迎えた前半38分、佐々木との交代でベンチに退くことになった。
「自分を見直して、また一から頑張ろうと思ったのがあの試合でした」
あれから約2カ月。桐蔭横浜大学FCとの関東リーグ1部第4節で先発出場し、前述のとおり、続く第5節では南葛SC加入後初ゴールをマークして存在感を示した。自らについて謙虚に語る背番号20は、南葛SCの一員になってからの変化についてこう話す。
「シーズン序盤、何度かスタメン組のほうでやらせてもらう機会がありましたが、当時の自分には正直自信がなかったというか。なんて言うんだろう、気持ちの部分で自分はそんなに強いタイプではないと思っていて。大学時代も、学年が上がるにつれてプレーがよくなっていった印象があるんです。だから、南葛SC加入直後もどうなるかとちょっと心配していたんですが、先輩たちは的確なアドバイスをしてくれるし、スタッフの皆さんもチームメートのみんなも親しく接してくれるので、だんだんと雰囲気に慣れて自信がついてきて、徐々に自分らしいプレーが出せるようになってきているのかなと感じています」
今節の東邦チタニウム戦に向けて、佐々木はこう意気込みを語る。
「前節でリーグ戦の連勝は途切れてしまいましたが、この先には全社(全国社会人サッカー選手権大会関東予選)もあります。そこも視野に入れて、誰が出ても結果を残し、いい再スタートが切れるように選手全員でしっかりと戦いたい。個人的には、今季のリーグ戦でまだ得点できていないので、初ゴールを目指して頑張ります」
得点への意欲という部分においては、金田にも並々ならぬ思いがある。今の南葛SCには個性的なアタッカーが多数そろっているだけに、ポジション争いを制するためにも、より多くのゴールを決めることを誓う。淡々とした口調で話を続けてきた金田だが、最後の言葉には少し熱が込められた。
「FW陣に対するライバル意識はめっちゃあります。自分としては表に出していないだけで、その意識はめちゃくちゃあるんです。『どの選手にも負けたくない』という気持ちは、自分の中に秘めているつもりです」
誰が出ても結果を残し、いい再スタートが切れるように――関東リーグ1部第6節、東邦チタニウム戦は6月2日14:00キックオフ。今節も南葛ファミリー全員でともに戦おう。
大会:第58回関東サッカーリーグ1部 第6節
日時:2024年6月2日(日)14:00キックオフ
対戦:東邦チタニウム vs 南葛SC
会場:柳島スポーツ公園総合競技場(観戦無料)
配信:https://www.youtube.com/watch?v=SS3CUpuyt3U