ここは自分が責任を持ってやるしかない

　第57回関東サッカーリーグ1部は、早くも前期3節に突入しようとしている。開幕からの2試合で思うような結果を残すことができなかった南葛SCは、前期2節の東京ユナイテッドFC戦から3日後、森一哉監督との契約解除とともに、後任として高木健旨コーチが暫定的に指揮を執ることを発表した。高木コーチは言う。

「森さんがチームを離れる――もちろん私としては本意ではないし、目標達成に向けて、この先もずっと森さんと一緒にやっていきたいと思っていました。そういう気持ちを抱きつつも、クラブから今回の決定を告げられ、日程的には1週間もしないうちに次のリーグ戦がやって来る。もはや悩んでいる時間はなかったし、『ここは自分が責任を持ってやるしかない』という思いで引き受けさせてもらいました」

　桐蔭横浜大学FC戦に向けて、チームは4月12日からトレーニングを再開した。高木コーチが「選手たちは意欲的にトレーニングに臨んでくれている」と語るとおり、ウォーミングアップからゲーム形式の実戦的なメニュー、さらにはフィジカル面やスタミナ面の強化を重視したハードなトレーニングまで、選手たちはお互いに声をかけ合い、チーム全体が一体となって日々の練習に取り組んでいた。

　なかでも、ここまでのキャリアで多くの経験と実績を積み重ねてきたベテラン勢が、チームを盛り上げようとしている姿勢が印象的だった。高木コーチの目にも、彼らの姿は頼もしく映っているようだ。

「シーズン途中に監督が交代したときの対応、そういう場面でのチームの盛り上げ方などは、ある意味、私よりも彼らのほうが多くの引き出しを持っているのではないかと思います。決して今までが悪かったわけではありませんが、結果を出すという面も含め、『こういうタイミングだからこそ、チームをさらによくしていくチャンスだ』と捉え、行動に移してくれているような気がします」

南葛ファミリー一体となって今節の一戦に臨みたい

　今節の相手である桐蔭横浜大学FCは、昨シーズンの関東リーグ2部で優勝し、今シーズン1部復帰を果たしたチームである。昨シーズンは18試合を戦って13勝4分1敗と圧倒的な強さで2部を制したものの、今シーズンは南葛SC同様、開幕2連敗と苦しいスタートを強いられている。9位で並ぶ両チームの対戦を前に、高木コーチは戦い方のポイントをこう挙げる。

「南葛SCにとって、桐蔭横浜大学FC戦で何よりも大事なのは“試合に勝つこと”。ピッチ上の選手たちとベンチのスタッフが、勝負どころとなる時間帯を見極め、その瞬間の戦い方をどれだけ共有、合致させられるかどうか。この点が大切なポイントになってくると思っています」

　今シーズンのリーグ戦では初めてとなる敵地での試合。この点も考慮しつつ、高木コーチはファン・サポーターの皆さんへこうメッセージを送る。

「前節の桐蔭横浜大学FCと栃木シティフットボールクラブの試合映像を見ました。今節の会場となる桐蔭学園多目的グラウンドで行われた試合には、桐蔭横浜大学サッカー部の部員がたくさん集まり、チャントを歌いながら盛大に応援していました。今節も有観客と聞いているので、南葛SCのファン・サポーターの皆さんには、ぜひ会場に足を運んでいただき、選手たち、そして我々スタッフ陣の後押しとなるような応援をお願いできたらと思っています。南葛SCの選手たちにとっては、初めてプレーするグラウンドになります。試合会場の雰囲気に飲まれないことも、この試合の行方を左右する大きなポイントと位置づけています。だからこそ、ファン・サポーターの皆さんと一緒に会場へ乗り込み、南葛ファミリーが一体となって今節の一戦に臨みたいと思っています。もちろん、YouTubeでのライブ配信も含め、皆さんに試合を見ていただくことが我々の力になります。今節も応援よろしくお願いいたします」

大会：第57回関東リーグ1部 前期3節
日程：2023年4月16日（日）16:00キックオフ
対戦：桐蔭横浜大学FC vs 南葛SC
会場：桐蔭学園多目的グラウンド
ライブ配信：https://youtube.com/live/tY4cBVM9cDg