2023/4/7 09:34
「うーん……」と少し間を置いたあと、「シンプルに“悔しい”という気持ちが何よりも先に思い浮かびます」。2023シーズンの関東サッカーリーグ1部開幕戦から2日後、右ウイングバックとしてフル出場した熊川翔は、こう切り出しながら前期1節のVONDS市原FC戦について話を続ける。
「相手がけっこうパワフルなサッカーを仕掛けてくることはわかっていたので、僕らも最初は無理にリスクを冒すことなく試合を進めていこうと考えていました。ただ、時計の針が進んでいくなか、相手の隙や綻びを見つけてどこかのタイミングで南葛SCのペースに持ち込める時間をもう少し作ることができれば、試合展開を変えられた可能性もあったのかもしれません」
言葉の端々に悔しさを滲ませつつも、その視線はすでに中5日で行われる前期2節の東京ユナイテッドFC戦へと向けられていた。
「“たら、れば”の話をしたところで開幕戦はもう終わったことですから、結果をしっかりと受け止め、チーム全体で反省しながら、東京ユナイテッドFC戦に生かしていきたいと思います。南葛SCには質の高い選手がたくさん在籍しています。誰が出場してもいい試合ができる手応えがあるので、まずは初勝利を挙げられるように、試合当日に向けて準備を重ねていきます」
東京ユナイテッドFCは、2022シーズンの関東リーグ1部で準優勝。全18試合を戦い、マークしたゴール数はリーグトップの35得点(1試合平均1.9得点)にも上る。関東リーグ1部に昇格した2017年以降の6シーズンでは、2位が2回、3位が3回と毎年のように上位にランクする強豪だ。
関東リーグ1部に初挑戦した昨シーズンの南葛SCも東京ユナイテッドFCとの対戦では苦戦を強いられ、前期6節では1-4、後期6節では0-1と連敗を喫した。ただ、副キャプテンを務める玉城峻吾は、昨年の現実を見据えつつ、今シーズンの南葛SCの可能性に期待を寄せる。
「昨シーズンの対戦で僕らは一度も勝つことができなかったので、今シーズンは“チャレンジャー”として試合に臨むつもりです。同時に、チャレンジャーでありつつも相手を恐れることなく積極的な試合運びができれば、今シーズンは互角以上の戦いができるのではないかと思っています」
熊川同様、玉城もこの試合で2023シーズンのリーグ戦初勝利を誓う。「確かに開幕戦では敗戦を喫しましたが、東京ユナイテッドFC戦までチーム全体で明るく練習に取り組むことができました。今ではいい意味で吹っ切れて、森(一哉)監督が言う『ここからやっていこう!』『前へ進んでいこう!』という言葉をみんなで具現化できています。東京ユナイテッドFC戦からは試合内容をより追求しつつ、その過程でしっかりと結果を残したいと思っています」
南葛SCにとって、2023シーズンのリーグ戦初勝利に向けた戦いが間もなく始まる。
▼試合情報
大会:関東サッカーリーグ前期2節
日時:2023年4月8日(土)13:00キックオフ
会場:水元総合スポーツセンター
対戦:東京ユナイテッドFC
配信:https://www.youtube.com/watch?v=AopmEd0gZzM